思考と現場の間で

「いいサービスづくり」のために、組織づくりやソフトウェア設計など、考えていることを書きます

組織を変革することのやりがいと虚しさ

先日、アジャイルジャパン2012の東京サテライト(本会場は大阪)に出てきました。とても活気があって、モチベーションが高いエンジニアがたくさん出ている、とても有意義な会でした。

アジャイル開発というのは、開発するシステムが複雑化して、また答えがはっきり見えなくなってきたので、今までの製造業のような固いやり方ではいいプロダクトを作れないから、もっと柔軟にやりましょう、というような考え方です。

これまでのソフトウェア開発はもう無理が来ていて、そろそろ何か変えないとヤバいとは、現場のみんなうすうす感じています。そういう意味で、私はアジャイル開発は一つの答えだと思っています。実際うまく行ったし、近い将来、日本のソフトウェア業界はこれで世界レベルに追いつけるのではないかと私は本気で思っています。

でも、そうするためには、今のやり方から大幅にやり方を変えなければならない。

我々がこれまで内心無理だと思っていたやり方に対して、正直に無理だと言わなければならないわけです。相応しいやり方でやりましょう、と。そうすると、当然コンフリクトが起こる。エンジニア同士も、組織も、上司も。

次は、完全に政治の世界になる。トップを落とせればいいけども、そうでなければ組織同士の調整の世界。当然、それに合わせて担当者レベルでも行動や考え方を変えなければならない。組織によっては相当な抵抗に合う。

つまり、行き着くところは組織改革が必要になる。エンジニアとしていくら高めたところで、政治をうまくできなければ、力を活かす事ができない。だから、人にどう説明するか、どう戦略を練って突き進んでいくか。

それはそれでとても勉強になるし、必要なことだとは力を入れてやってるけども、時々思うことがあります。もし、組織が元々アジャイル開発を当然やる環境だったら、エンジニアとしてもっと色々できるのではないか、この時間はそのうちムダになるんじゃないかと。

このイベントで、主催の倉貫さんという方が

  • 「組織を変えてもビジネスにならない」
  • 「それを解決する銀の弾丸は小さい会社でやること」

という風におっしゃっていて、頭をガーンと叩かれたような衝撃を受けました。最終的には、世界を変える(ちょっと大げさかな)、人の役にたつプロダクトを作ることなんだ、という風に思ったときに、組織を変えた時に本当にそうなるのかというのは、疑問というかむしろネガティブな印象しかないというのが正直なところです。きっとどこの組織も同じような重々しい課題に直面してるんだろうなぁと思うと、その時間をもっと別のことに使えればなぁと思うわけであります。もしかすると、アジャイルジャパンに来ているエンジニアを集めて会社やればいいんじゃないかなぁとか。

と思いながらも、明日から私の持ち場で全力を尽くします。