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ブラームス

ブラームス先生の凄さ(八分音符の憂鬱 作曲家:吉松隆)

いや、どこも凄くなくてどこも斬新じゃないでしょう。

この視点は面白い。この文章は色々な裏が隠されておりますが、譜面を見ている限り、実感としてあるのですよね。ブラームスと同時に生きていた、例えばブルックナーワーグナー、少し下のマーラーなどと比べると、少なくとも「斬新」ではないことは明らかです。譜面の不器用さを見ると、ベートーヴェンメンデルスゾーンシューマンに近い顔を持っています。マーラーの巨人が「1884年から1888年に作曲」、ブラームスの交響曲第4番が「1884年から1885年に作曲」ですから、あのサウンドの違い、譜面の違いを見ると明らかでしょう。

いや、だからすばらしくないわけではなくて、音楽の完成度は非常に高く、構成の美は美術作品のように感じます。例えばマーラーなど聴くと、展開が強引なおかげで唐突なことが多いわけで。全体性として整った美しさはブラームスに軍配が上がるのではないでしょうか。

なんて偉そうなことを言っておりますが、はっきり言ってブラームスを演奏するのは難しすぎます。譜面が不器用すぎて、書いてあることだけやっても音楽にならないのです。R.シュトラウスマーラーは、技術的には難しいですが、音楽的要素が譜面に書かれている部分が多いので、譜面を弾けると比較的音楽に近づきやすいという点があります。ブラームスはそうはいかない。私はまだブラームスを演奏している自分をイメージできません。いや、やったことはあるんですが、玉砕しました。「できる」という意味でなく、「イメージできる」ということころまであと10年ほどかかるような気がしております。本当に高い山です。

今回は、ブラームスの交響曲第2番をオーケストラでやります。私の出番は無いのですが、指揮は振ることになると思うので、いつもと違う視点からこの曲と付き合ってみようと思います。何度聴いてもいい曲。楽しみです。