日常にある幸せ

代筆屋 (幻冬舎文庫)

代筆屋 (幻冬舎文庫)


青空の休暇 (幻冬舎文庫)

青空の休暇 (幻冬舎文庫)

相方が読んでいたのを拾って読んでみた。辻仁成という人は知っていたが、あまりいい噂(苦笑)を聞かなかったので、特に興味は無かったが、なかなか面白かった。

彼の他の小説は知らないが、この二つの小説に共通するテーマは「日常にある幸せ」だと思う。人間関係の悩みや夫婦の関係、誰でも一度は悩んだり感じたことがあることを実はそこに面白さや感動があるんだ、という視点に見えた。直接心をくすぐられるような感覚だった。

先日、押井守監督のスカイ・クロラを見たんだが、この最後でもこのようなセリフがあった。1字1句覚えてはいないが、「いつもと同じ道を歩いても、いつも景色は同じじゃない。 それだけじゃだめなのか?」というような内容。

刺激が多い現代ではこの感覚を持つのは至難の技だ。でも、死との距離が近くなったとき、それらの刺激を受けることはできなくなる。多くのものを失い、過去の何気ない思い出が懐かしく感じられるようになる。若いときに宗教に興味が無い人が、年を取ると宗教に興味を持つようになるというのはこういうことなのかもしれない。できれば、死に直面しなくてもそのような感覚を持っていたいものだ。