残業について考える

誰も残業を少なくする気は無い

最近、なぜか会社で残業の話題が挙がることがあって、色々な人の話を聞くことができた。その結果、私の中でひとつの結論が出た。

誰も残業を少なくする気は無い(笑)。

本当かわからないが、うちの会社は残業代が多少上がっても、人件費としての割合は低いと上司が発言(これはそのうち裏づけをする)。それでは、もちろん会社としては長く働いてもらったほうがいいと考えるだろう。その他の要因もあったが、ちょっとここではやめておこう。

一般社員も、やはり短い時間というのは「楽をしている」という感覚がどうしてもぬぐえないらしい。「私が若いころは100時間残業なんて当たり前、200時間半年やったことがあるよ」と言う。若い社員も、早く帰った同僚を見ると、「なんだ早く帰ってうらやましい」ということを言う。直接話を聞いてみても、業務量が多すぎて少なくするのは無理だと言う。おそらく、言わないが生活残業(残業手当目当て)の人もいるだろう。

なぜ残業が多いのか

私は何も楽をしたいから残業を少なくするべきと言っているのではない。あくまで残業というのはコストであり、コストをできる限りすくなくして目的を達成するのは義務だ。もちろん、トラブルや場合によってはやらなければいけないことのも義務ではあるが、それが冗長化してしまうと、目的から外れてしまう。

どうも多くの人は、長いこと仕事をする、ということを目的にしてしまうのではないだろうか。他人より早く帰るのはどうも気が引けるとか、根性が無いとか、とりあえず、やっているっぽいことを見せるために時間だけはかけるとか。

業務が多すぎると言う人がいるが、他人をアサインしてもらったり、上司にはっきり多すぎると直談判したことはあるのか。与えられたことを黙ってやることが本当にいいパフォーマンスを生むのか。私は、業務が多すぎる状態の人も、それを避けるための努力をしていないと思う。文句を言う権利は無い。

私は根性論が根強く残っているからこのようなことが起こるように思っている。楽をしてはいけない、文句を言ってはいけない、とりあえず、苦労はしたほうがいい。その状態が本当にいい結果を生むのか。会社の存在意義は、社員の根性を鍛えるためのものなんだろうか。私は、企業の存在意義は別のところにあると思うのだが、それは間違いなのだろうか。

なぜ残業を少なくしたほうが良いのか

私は別に絶対に残業をしてはいけないと言っているのではない。残業をしないよう努力をしたほうが良いと言っているだけだ。

最近の仕事、特にIT業界は工夫や発想が大切であり、集中力が薄れる状態で長時間働いてもパフォーマンスは上がらない。また、会社と家の往復状態だと、考え方が偏り、仕事について客観的な視点が失われてしまい、日々の改善という発想が出てきにくくなる。

残業を多くしている状態というのは、何かしら問題を抱えている状態だと言える。もし、長期的に残業をしている人がいるのであれば、上司はそこにどんな問題を抱えているのかを検証し、他の人にも展開すればいい。ホワイトカラーの残業というのは、最大の問題点の見える化だと思う。それをがんばっているで終わらせてしまうのは、改善するチャンスをみすみす見逃していると言える。

残業しなくても、外で遊んでろ、ということではない。人間や技術を成長させるために努力をする時間にしなければならないのだ。逆に日々そのような努力をしていかないと、なかなか生き残るのは難しい時代になってきていると思う。おそらく、残業を少なくしても、努力をする時間は増えるだろう。

また、時間が増えることによって少子化にも貢献できる。実際、父親なんてものは子供とずっと一緒にいなくても成長する(特に我々の世代は父親とそれほど接してこなかった)わけだが、そもそも今の労働環境だと子供を生もうという選択を避けてしまう。私の知り合いのお母さんは、「お父さんは忙しすぎ」と言っていた。1人はまだしも2人、3人と生むのは当然父親も一緒にやらなければならない。もし、そんなの大丈夫だった、別に普通だろ、と思っている現在のお父さんがいたら、それは大きな勘違いだと思ったほうが良いと思う。どれだかお母さんが苦労されたか。そんな身勝手なこと言っていると、定年するときに離婚されますぞ。

また、残業をしたくないのであれば起業しろという記事を見たことがあるが、起業した会社だろうが、大企業だろうが、残業を少なくすることが効果を最大化できる方法だと私は考える。だから、いくら考え方が古い人が多い大企業だからってその努力をあきらめてしまったら、その企業は衰退へ進むだけだ。働いた時間を武勇伝のように語るなんてのは問題外。ぜひ早々に引退していただきたい。

私は、私個人が良い状況になればいいと思っているのではない。残業を少なくする努力というのは、会社にも社会にも大きな恩恵を与える。とにかく、今の仕事は長い時間をやってても成果が出ないのだ。頭のいい人が一ひねりするだけでうまくいったりしてしまう。でも、私のような頭が良くない人でも、できる限り知恵を絞ってやれば成果を出せるチャンスがある。それには、脳を最大限に生かせるコンディションを作ることと、常に学び続けるという姿勢が必要だ。会社ばかりにいる場合ではないのだ。