「豊か」という言葉の意味

桜がきれいに咲き始めた。人の入れ替わり、組織の異動などが多い時期だ。私の周りでも例外ではなく、おめでたいこともあれば大変残念なこともあった。働き方について色々考えさせられる。

このAさんの生き方はとても共感する。むしろ、これが本来目指すべき姿なのではないかと強く思う。売り上げを上げることだけを目標とすることが本当にいいことなのか、会社に従順に従うことが本当に会社のためになるのか、目的はもっと別のところにあって、もっと豊かな生活を目指すべきではないだろうか…。id:taknakayamaさんは「逃走の先」という表現をしているが、今の日本の社会ではこれを行うためには世間から逃走しなければならないところは大変もどかしい。

「豊かな生活」という言葉は、40年前と今とは意味合いが違うのだろうと思う。かつては金銭的であったり、いかに便利であるかだったり、物質的な豊かさを意味していたと思う。その豊かさを手に入れた今、「心の豊かな生活」という意味に変わってきているのではないだろうか。これを手に入れるためには、何も考えずに猛烈に働くでもない、とにかく売り上げを上げるために何でもすることではない、一流企業に入るでもない、一流大学に入るでもない、一発当てるために起業するでもない、もっと別の次元の思想が必要となる。

今のような文明を持った人間の生活はまだ数百年レベルであり、人間の質という意味では発展途上なのだと思う。その中で、「豊かさ」の意味合いが変わってきたのは、文明や文化が高度化してきていると言えると思う。技術的要素だけではなく、この「高度化」という変化をみんなで感じ取れば、個人個人の豊かな生活や、地球全体にとってもいい方向に進むような気がする。

このような悩みを持てるのは、日本と言う物質的に豊かな場所に生まれたからであり、それを得ていない人たちもたくさんいる中では贅沢な悩みのかもしれない。でも、物質的な豊かさを得た分、失ったものもある。私が物心付いたときから空いていた穴だ。その穴を埋めていけるかどうかが、私にとっての「豊かさ」を得る唯一の方法なのではないかと最近思う。