重要なことを積み重ねる

老いを照らす(瀬戸内 寂聴)
今の私には、老いるということについて、あまりにも実感が無い。周りには多くのお年寄りがいて、自分の両親もだいぶ年を取ってきたわけだが、それが私の生活の一部になっていないのである。

初心者マークではなく、高齢者が車につけるマークがある。車に乗っていると、お年寄りが少し危ない運転していることをたまに見るので、是非つけてもらいたいと思っていた。でも、よくよく考えると、自分が高齢者だと認識して、車にマークを付けるというのは、大変な行為ではないか?

まず、自分が高齢者であるという認識をしなければならない。そして、色々な機能が衰えているということを受け入れなければならない。自分が年を取ったときに、素直にそれらを受け入れることができるのだろうか。確実に死期に近づいているという事実を、受け入れられるのだろうか?実はこれは大変なことだと思う。

誰もがいつかは受け入れなければならない、「死」や「老い」を考えると、今やっていることが果たしてそんなに意味があることなのかと思えてくる。過去を振り返って良かったと思える最後を迎えられるのだろうか。死というのは、ある一瞬ではなく、結果である。事故にでも合わない限り、だんだんそれに近づいてくことになる。近づき始めたという実感が湧いたとき、その人の本質が問われるのではないか。そこまでやってきたことが問われるのではないか。

そんなことを考えさせられる本だった。今、老いを実感できないのであれば、その時のために、本当に必要なこと、重要なことを毎日重ねて生きたいと感じた。