読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

本当に必要なシステム

花粉が飛び始める時期なので、耳鼻科に行って薬をもらってきた。去年までは会社付属の病院(これが大企業のいいところだろう)で薬だけもらっていたのだが、経費節減か風邪や花粉症などは診察してくれなくなったため、家の近くの耳鼻科へ行った。

行って驚いたのだが、診察の予約がインターネットでできるようだ。行ったときに番号を振られ、診察中の人の番号もネットで検索できる。病院もきれいだし、人気があるのか30人待ちだったので、近くにあるすし屋でランチセットを食し、本屋に行き文庫を買い、それをずっと読んでいた。それでも待合室で30分待たされることとなったが。

最初は便利なシステムだなぁと思ったが、自分の番が来ても液晶画面の番号が上がって「ぴろ〜ん」と音が鳴るだけだし、予約している人が来ていなかったり、看護士さんと話すことも無いし、なんか味気ないなぁと思ってしまった。

システム化っていうのは確かに便利な面もあると思うんだけど、自己責任の割合が増える。自分で申し込みをするのは良いとして、タイミングのいい時間に行き、画面が自分の番号に切り替わるのを自分で確認し、診察室に入る。その間、誰とも会話を交わすことはないため、「もうすぐですよ」、「診察室にお越しください」とも言ってもらえないから、自分の番を逃してしまうと、勝手に次の人に行く。これは本当に便利なんだろうか?

確かに、病院の方々の人件費と労力は減るが、患者が払う金額が安くなるわけではない。しかも、予約しやすいため患者は多く、申し込んでからの待ち時間(待合室にいる時間ではなく)は長くなっている。小さい個人病院で、30人待ちというのは異常だろう。12時ごろに行って、診察を受けたのは2時間後の14時ごろだった。

一体、誰のためのシステムなんだろうか?

私は、IT業界の問題点として労働環境について書いたが、「必要でないシステムを多く作っている」というところも問題点の一つだと感じる。一部の論調で、「IT業界が衰退していった場合、顧客は「システムが無いは無いで何とかなるよね」と気が付く」と言っていた。実際、現場に携わっていても、本当にこれは必要なんだろうか?と思うことは多い。そういう意味での無駄も多いように思う。

ただ、システム開発者から見ると、この病院のシステムは良く出来てるし、アイデアもいいと思う。仕組みを考えても、病院の端末との同期処理、おそらくASPで提供しているので、数々の病院にサービスを提供している、など、ポイントを見ても比較的いいシステムの部類に入ると思う。

でも、その目的には疑問を持たざるを得ない。システム化というのは便利にするという面もあれば、「目的到達のためのプロセスを変更する」という面も持ち合わせている。その分、失うものもある。そう考えると、良くも悪くもITが社会を変えてきたというのは、本当のことかもしれない。もっと言うと、これからより社会が変わっていくのは確実だろう。

それとは関係ないけど、会社の病院は耳鼻科ではなかったため、何も見てもらえなかった。耳鼻科に行ったおかげで、先生から自分の鼻の状態を見てもらい、「しゅー」ってしてもらったのは結構良かった。今のところ鼻が通っている。その辺のコミュニケーションはシステムで実現することは不可能である。