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ハウシルト 新日本フィル ブルックナー8番

聴いてまいりました。無理やり6時半ちょっと前に出て、7時ごろ到着。こういう週末って本当に贅沢な時間ですね。色々あるにしろ、このような時間を過ごさせてもらえるのは、周りの皆さんに感謝しなければなりません。

あえてCDも何も聴かず会場へ。学生のころ、スコアを買ってよく聴いていたけど、出だしのフレーズも忘れてしまっていた。でも出だしを聴いてフワっと頭の中にイメージが広がった。う〜ん、この感覚だ…。

どうもブルックナーの8番と9番は私の中のイメージが茶色っぱくて、実はそれほど好きじゃなかった。7番も比較的俗っぽくなっているとは思うが、8番9番ほどではない。だが、今回の8番は違った。イメージを変えられた。

一言で言うと「渋い!」という感じ。8番はやろうと思えばイケイケな演奏もできる曲だと思うが、全体として音の溶け込みを重視しており、音量も大きすぎず、柔らかな演奏だった。音楽がどうこうではなく、その空間の中に含まれているだけで、心地よさを感じられるような音だった。その統一感の中で、各楽章の色が変わっており、特に1楽章は色彩感が豊かで、2楽章のリズムやフレーズ感、3楽章の長いフレーズ感、4楽章の躍動感と、楽章の特色がはっきり出ていたように思う。

ああいう演奏を聴いていると、あの場で寝るとどれだけ気持ちがいいだろうなぁと思う。大きめの椅子に足を伸ばし、いびきをかくことを気にしないでいい状態で、あの演奏を聴きながら寝れたらどれだけすっきりすることだろう。絶対無理だよな〜。

ということで、ハウシルトの解釈は好きです。ブルックナーをイケイケに演奏して何が面白いか。それならマーラー聴くわという感じですね。

そして、やはりティンパニが見事でした。なぜあれだけ豊な響きを出せるのだろうか?3つのティンパニどれでも同じだ。特に、小さいティンパニであれだけの響きが出るのには驚いた。本当に不思議でしょうがない。2楽章の装飾音符のpの音もあれだけ小さく叩いているのに、まっすぐ音が通る。人間国宝じゃないだろうか?

ただ…。オケ全体としては、どうも聴いているほうが不完全燃焼なのだ。全員プロフェッショナルとして大変な努力と狭き門を潜り抜けて毎日身を削って演奏されていることはよくわかっている。それがどれだけ大変なことかもよくわかっている。でも、何かもう一歩踏み出してもいいのではないかと思う。単純な美しさであれば、自然があるところに行けばいくらでも体験できる。私が演奏会に足を運ぶのは、そういうことではなくて、もっと人間臭さを味わいに来ているのだ。

また聴きに行きます。