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けものみちを行く

梅田望夫著『ウェブ時代をゆく』を読んだ。今、2回目を読んでいる。私はほとんど2回連続で同じ本を読むことが無いのだが、自分の信念からバランスを崩しそうになる自分を戻してくれる安心感からなのかもしれない。

私は至極平均的な人間である。学習の高速道路を疾走し、大渋滞を猛烈な勢いで追い抜いて高みに行けるような能力は無い。ただ、私の取り得は好きなことをやっていることだけだ。ウェブ進化論を読んだころから、それがインターネットの世界では「生きる」ということを感じてはいた。

好きなこととは、音楽とコンピュータ。どちらも、ほぼアマチュアだと言っていいと思う。仕事でのプログラミングも、オープンソースをはじめとするインターネット内の第一線で活躍されている方と比較すると、普通のレベルだと言っていい。音楽はもちろんアマチュア。お金を出していただいて聴かせるレベルには無い。

ただ、そのアマチュアであるはずの好きなことが、インターネットの中では、存在感を得ることができる。世の中には、あったらいいのに無いものが無数にある。無い理由は、商売にならないからであり、経済の基本的な論理だ。ただ、インターネットの世界には、私のように商売を目的としなくても作ってしまう人間がいる。お金以外に目的がある。コンサートスクウェアの場合、作った私もアマチュアであれば、使う人もアマチュアである。アマチュア同士で新しい世界が生まれる。そこに私は何かの役に立っているのではないかという実感が生まれている。使う人も恩恵を受けることができている。

プロフェッショナルとして非常に厳しい世界で仕事をし、利益を出す人々はすごいと思う。販売台数が世界一になろうとしているトヨタもすごいと思う。ただ、それが何なんだろう。その後の彼らのミッションは何なんだろう。

一流の経営 (横浜逍遙亭)は大変共感した。ここまで豊かになると、利益を生む、お金を儲けることだけが良いこと、幸せなことではないと思う。幸せが何かわかりにくくなってきていると言うが、その辺を意識しすぎているのではないだろうか。個人個人が、もっと世界を良くする、誰かの役に立つ、そういうところを目指すことが自分の幸せにつながるのではないだろうか。驚くことに、インターネットには、そういう自分の価値を見出すことができるインフラが出来上がっている。

私は無能力ながらも、けものみちを歩いていく決心を固めた。2年ほど前から水を飲むような読書も続けている(ちょっと遅いが…)。Blogも書いている。異動も実現し、新しいことを吸収しながら、自分のミッションの達成に向けて歩き出している。これからどうなるかわからないが、未来を楽しもうと努めている。これは、この本を読む前から続けてきたことだ。本当にこの本は私を勇気付けてくれた。

また、感激と共に驚くのは、梅田さん本人が私のBlogにはてなスターをいくつか付けてくれていることだ。一方通行であったはずの「本」が双方向になる。本当に面白い世界になった。これだけでも、楽しい未来を想像してしまう。感謝感謝。この時代に生きられて本当に良かった。