男鹿和雄展と大人完敗

9月24日の午前中、東京都現代美術館:MOT ジブリの絵職人 男鹿和雄展に行ってきた。3時間待ちという話を聴いていたので、若冲展のときと同じように、開場30分前に到着。ああいうのは1時間前くらいから空いているもんなんですね。15分待ちくらいで入れた(出る頃には3時間待ちだったが)。

ほとんど何かのために書かれたものであり、メッセージは具体的ながらも、存在し得ない世界観が作者のイメージを通して作られている。技術的にどうのこうのよりも、懐かしいイメージや物語のイメージが感覚的によみがえってきて感動する。この感覚は、絵そのもの以外にも色々な要素があり、それを知ってるからこそ感じるんだろうな。久石譲の音楽を聴いたときの印象と似ているような気がした。でも、そういう前提条件無しに見てみたいとも思ってしまった。

面白かったのは、おもひでぽろぽろで「今」として描かれた1990年前半の自動改札が無い上野駅が大変古く見え、現在作者も生きているし、自分もその当時実際に見ていたはずであるという3点が合わさって、自分の立ち位置がわからないような変な感覚を覚えた。私が見た範囲の絵画は、過去のものが多いし、現代のものはより抽象的になっている。そこに自分の生活観と一致するところは少ない。また、トトロももののけ姫も過去だし、千と千尋はファンタジー、ジブリ作品で自分の生活観と一致した唯一の絵だったというところもあったかもしれない。

その後、藤沢へ移動し、藤沢ジュニアオーケストラの演奏会を聴く。ちなみに、およそ2時間「男鹿和雄展」を見ていたが、全然足らなかった。皆様は、丸一日かけてご覧になることをお勧めします。美術館の近くも下町で面白そうな店がたくさんあったし。

藤沢ジュニアオーケストラ
指揮:岩村力
 曲:モーツァルト:劇場支配人序曲
   ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」

正直、多少子供の発表会のようなものを想像していた。実際プレトークもそんな感じだったし。でもそんな期待を見事に裏切られた。大変感動した。

弦楽器が上手い。大人完敗…。技術的にもそうだし、表現も健闘しているし、体もよく動いて何をしたいかも伝わってくるし、大人も見習うところがたくさんあるんじゃないだろうか。管楽器や打楽器のレベルは人数が少ないのもあり、しょうがないところがあるが、小学生から高校生がやっているところを考えると、よく健闘していたと思う。第九を最初から最後まで演奏するというだけでも大変なことだ。

私もかつて第九をやったことがあるが、その時の演奏より良かったのではないだろうか…。お金持ちじゃないとできないだろうが、プロになるにしろ、アマチュアで続けるにしろ、やはり楽器は早くからやるに越したことはない。高校生であれだけ弾けたらどれだけ楽しいことだろうか。本当にうらやましい。

そんな中で、私の全ての印象を持っていったのは、小学校六年生のバスドラをやっていた子だった…。溢れんばかりのパワーを持て余していた出番の待ち方(笑)と、野生溢れる演奏。ああいう個性を潰しちゃいけないな。彼はそのうちティンパニをやるんだろうか。是非そのときの彼の演奏を聴いてみたい。